入社して半年が経ったころ、毎朝起きるたびに胃のあたりが重くなっていることに気づきました。仕事が嫌いというより、ここにいる自分が少しずつ削れていくような感覚があって、このまま続けることへの疑問が頭から離れなくなっていました。
そのとき、第二新卒という言葉を知りました。社会人経験のある若手を歓迎する企業が多いと書いてあって、正直、ほっとしました。まだやり直せる、ちゃんと選び直せると思ったのです。退職を決めたのは、その言葉に背中を押されたからでした。
辞める手続きは思ったより淡々と進みました。上司には引き止められましたが、気持ちはもう固まっていたので、最後まで揺れることはありませんでした。退職した日の夜は、久しぶりに肩の力が抜けた気がしました。
転職活動を始めたのは退職の翌週でした。最初はあまり深刻に考えていませんでした。求人はたくさんあるし、自分は第二新卒の範囲に収まっている。そう思うと、少し余裕すら感じていました。ところが書類選考の通過率は、思っていたよりずっと低かったです。
面接にこぎつけても、必ずと言っていいほど「なぜ短期間で辞めたのですか」と聞かれました。何度答えても、うまく伝わっている手応えがありませんでした。正直に話すと表情が曇り、言葉を選ぶと今度は言い訳に聞こえるようで、面接を重ねるほど自信がなくなっていきました。
気がつくと三ヶ月が過ぎていました。貯金の残高が目に見えて減っていて、焦りが生活のあちこちに滲み出てくるようになりました。夜中に求人サイトを眺めながら、自分はなぜこんなことになったのだろうと考え続けた日が何度もありました。
結局、納得のいかないまま条件を下げて内定をもらった会社に入ることにしました。選び直すつもりが、追い詰められた末の選択になっていました。第二新卒という言葉の響きと、実際の転職活動の重さは、全然違うものでした。
辞める前に、もう少し情報を集めておけばよかったと思っています。在職しながら動く選択肢もあったし、転職活動にかかる時間を甘く見ていたのも事実です。焦って辞めたことで、かえって選択肢が狭まってしまいました。
あのとき感じた閉塞感は本物でしたし、辞めたかった気持ちも嘘ではありませんでした。ただ、辞め方と辞めた後の準備が足りなかった。それだけは、今ならはっきり言えます。