看護師30代夜勤成功例退職決意

30代で夜勤を手放すまでの話

実際の相談傾向をもとに再構成したケースです。特定の個人や事業者を示すものではありません。

その職場で働き始めて、もう8年が経っていました。20代のうちは夜勤明けでも数時間眠れば体が戻っていたのに、30代に入ってから、何日経っても疲れが抜けない感覚が続くようになっていました。起き上がるたびに足元がふわついて、自分の体が自分のものではないような気がしていました。

月に10回を超える夜勤が何ヶ月も続きました。人手が足りないのはわかっていたので、断ることもできずにいました。休憩室で仮眠を取っても、アラームが鳴る前に体が固まったように起き上がれない夜があって、そのたびに少しずつ、何かが削れていくような気がしていました。

ある夜、ナースステーションで記録を打ち込んでいるとき、画面の文字がにじんで見えました。泣いているわけでもないのに、目の焦点が合わなくて、自分がいま何をしているのかしばらくわからなくなりました。怖いというよりも、ただぼんやりとして、そのまま床に座り込んでしまいました。

翌朝、帰り道に立ち寄ったコンビニのベンチに座って、なぜか動けなくなりました。頭の中では「早く帰って寝なければ」と思っているのに、体がまるで言うことを聞かなくて、しばらくそこにいました。その時初めて、もう限界なのかもしれないと、静かに思いました。

退職を考え始めると、次に浮かんだのは「どうやって伝えるか」という不安でした。師長に言えば引き止められること、同僚に申し訳ない気持ちが出てくること、そういうことを考えるたびに気持ちが萎縮して、自分から動き出せずにいました。ある夜、眠れないまま調べているうちに、自分の代わりに退職の手続きを進めてくれるサービスがあることを知りました。

翌日、問い合わせのメッセージを送りました。返信が来たとき、思っていたよりも淡々とした説明に少し拍子抜けしましたが、それがかえって冷静に話を進めることができた気がします。職場への連絡は、すべて代わりに行ってもらえました。自分でそれをしなくて良かったことが、どれほど体の力を残してくれたか、後になってようやくわかりました。

退職が成立したと伝えられた日の夜、久しぶりに長く眠ることができました。特別なことは何もしていないのに、目が覚めたとき、少しだけ頭が澄んでいる感じがしました。何かが終わったというより、ずっと張り続けていたものがようやく緩み始めた、そういう感覚でした。

その後しばらくは、何もしない時間を意識的に作るようにしました。夜に眠れること、朝に自然に目が覚めること、そういった当たり前のことが、実は長い間できていなかったのだと気づきました。体の回復には思っていたよりも時間がかかりましたが、焦らずにいられたのは、退職という一番大きな決断をもう済ませていたからだと思います。

あのとき、限界を感じながらもなかなか動き出せなかったのは、「自分で全部やらなければ」という思い込みがあったからかもしれません。誰かに頼ることは、弱さではなかった。あの夜、コンビニのベンチで動けなくなった自分に、もう少し早く教えてあげられたらと、今は静かに思っています。

このケースで不安になりやすい点

  • - 会社へどう伝えるか
  • - 本人へ直接連絡が来ないか
  • - すぐ辞めたい時にどう整理するか

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