看護師30代人手不足成功例退職代行

人が足りないまま、何年も回し続けた病棟を離れる日のこと

実際の相談傾向をもとに再構成したケースです。特定の個人や事業者を示すものではありません。

気づいたら、休憩室で座ったまま眠っていました。時計を見ると12分が経っていて、手に持っていたペットボトルが床に転がっていました。誰にも見られていないことを確認して、何事もなかったように立ち上がりました。そういうことが、週に何度かありました。

病棟の人員は、私が配属された頃からずっと足りていませんでした。補充の話は毎年出ましたが、実際に入ってくる人数より辞めていく人数のほうが常に多く、気づけば30代の自分が一番長く在籍しているスタッフになっていました。新人への指導も、急変対応も、クレーム対応も、自然と自分のところへ集まってきました。

断れなかった、というよりも、断るという発想が長いあいだ持てませんでした。患者さんのことを考えれば手を抜けない。でも自分の体の限界は、少しずつ正直になっていきました。眠れない夜が増えて、食欲がなくなって、通勤の電車で涙が出ることがありました。どこか遠くへ行ってしまいたい、と何度も思いました。

転機は、信頼していた同僚が突然休職したことでした。彼女は私より明らかに元気そうに見えていたのに、ある日を境に来なくなりました。師長から「しばらく休むことになった」と聞いたとき、他人事とは思えませんでした。次は自分かもしれない、と初めて本当の意味で感じました。

退職の意向を伝えるのが怖かった理由のひとつは、引き止められることでした。以前、別のスタッフが辞めようとしたとき、「あなたが抜けたら回らなくなる」と言われて撤回させられた場面を近くで見ていたからです。自分もそうなるだろうと想像すると、話を切り出せずにいました。退職代行というサービスを知ったのは、そのころ深夜にスマートフォンを眺めていたときです。

自分で伝えなくていい、という一点が、私には大きなことでした。手続きを任せて、あとは指示された通りに進めるだけでした。予想していたような引き止めの連絡は、私のところには来ませんでした。拍子抜けするほど静かに、在職最終日が過ぎていきました。

退職してから最初の一週間は、何もしませんでした。起きて、食べて、また眠る。それだけで一日が終わりました。罪悪感が全くなかったわけではありません。でも身体が、もう動けないと言っていました。少し落ち着いてから、ようやく今後のことを考え始めました。

人手不足の職場を離れることは、逃げることだとずっと思っていました。でも、あのまま続けていたら自分がどうなっていたか、今は少し客観的に想像できます。倒れてからでは遅かった。誰かに頼ることを選べたのは、結果的によかったと思っています。

このケースで不安になりやすい点

  • - 会社へどう伝えるか
  • - 本人へ直接連絡が来ないか
  • - すぐ辞めたい時にどう整理するか

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