パート・アルバイト20代店長が怖い失敗例退職できない

店長が怖くて「辞めたい」と言えなかった話

実際の相談傾向をもとに再構成したケースです。特定の個人や事業者を示すものではありません。

バイトを始めたのは、特に深い理由があったわけではありませんでした。生活費の足しにしたくて、家から自転車で行ける距離の飲食店に応募しました。週3日のつもりでしたが、気づいたら週5日のシフトに入るようになっていました。

店長は、最初から圧のある人でした。声が大きく、気に入らないことがあると調理台を平手で叩き、フロア中に聞こえる声でスタッフを叱ることが日常でした。怒鳴られているのが自分でなくても、その場にいるだけで背中が縮みました。

ミスをするたびに、長く叱られました。うつむいたまま「すみません」と繰り返すことしかできませんでした。謝り終わったあとも、店長の視線が続いているような気がして、動作がぎこちなくなりました。

辞めたいと思い始めたのは、2ヶ月が経った頃です。でも「辞めます」という言葉が、どうしても喉から出てきませんでした。店長の顔を思い浮かべるだけで、胸のあたりが重くなりました。

ある日、勇気を出してシフト表の前に立ち、「少し話があって」と切り出しました。でも店長に振り向かれた瞬間、頭が真っ白になりました。「なんだ」という一言に気圧されて、「いえ、なんでもないです」と答えてしまいました。帰り道、悔しいというより、ただ疲れました。

友人に相談すると「電話で言えばいい」とアドバイスをもらいました。でも電話をかけても、声が震えてしまいました。「体調が悪くて今日は休みたい」と伝えるのが精一杯で、退職の話は最後まで切り出せませんでした。

そのままずるずると3ヶ月以上が過ぎました。バイトの前日の夜は眠れなくなり、出勤の時間が近づくと腹が痛くなりました。身体が先に限界を示していたのだと、今ならわかります。

退職代行という手段があることを知ったのは、その頃でした。でも当時は、アルバイトの自分がそれを使っていいのかどうか、調べる余裕もありませんでした。もっと早く知っていれば、違う選択ができたかもしれないと今でも思います。

あの数ヶ月で消耗したのは、時間だけではありませんでした。誰かに名前を呼ばれるたびに身体が緊張する感覚は、辞めた後もしばらく続きました。怖いと感じた時点で、別の手を探すべきでした。自分ひとりで何とかしようとしたことが、いちばんの失敗だったと思っています。

このケースで不安になりやすい点

  • - 会社へどう伝えるか
  • - 本人へ直接連絡が来ないか
  • - すぐ辞めたい時にどう整理するか